第17話 自分だけの星座をつくろう その1

コーチングの話の続き…になるかわかりませんが、最近考えていることを共有します。


僕のような者にも授業や講演の依頼がたまに来ます。

内容や聴衆はそのときどきで違いますが、必ず悩むのが自己紹介のしかた。

冒頭、時間に余裕があるときは自己紹介を少し丁寧にします。

すると、流れ者の経歴に興味を持つ人が意外に多くいます。


清く正しいみなさんのお手本にはなれないけど…。

というか、間違ってもお手本にしないほうがよいと思うけど…。

キワモノとして面白おかしく聞いてもらうくらいが丁度よいかと。


少し前のこと。 ある大学のゼミでのゲスト講師の依頼を受けたとき。

事前に講義内容を検討するなかで、どの程度の自己紹介をするか迷いました。

ちなみに、そのゼミの教員は旧知の友人です。

オンラインで一度打ち合わせをおこない、メールのやり取りも重ねました。


その結果、今回は自己紹介部分に時間を多く使うことにしました。

ちょうど、自分たちの進路を真剣に考える年代の学生たち。

何かしらの応援の気持ちを込めて話したいと考えました。


単なる僕の自己紹介だけでなく、「アイデンティティ」と「キャリアづくり」のようなことを話せないものか?

履歴書のように文字で僕の主な来歴を示す方法が一つ。

でも、今回の場合、それは付け足しにすぎません。


メインは「図」です。

自分の辿ってきた道。

ものすごく曲がりくねった道。

それを図で表現してみました。


また、講義の準備をするなかで、思い付いたことがあります。

それは、人生とは星座をつくる作業のようだ、ということ。


曲がりくねった経路のあちこちで経験したこと。

それは、一見するとバラバラに散らばった点たち。

でも、それらの点を結び付ければ線になります。

線が多くつながると面的な図形になります。

どのように結び付けて図形を生み出すのか?


そして、これは星座に似ている!と気付いたのです。


そもそも星座って何でしょう?

夜空を見て目に入るのは、無数の点としての星です。


(イラスト出所:いらすとや)


子どもの頃、僕は星座の図鑑の頁を一生懸命繰りました。

でも、都会の夜空を実際に見ても、図解にあった星座の多くは見つけられませんでした。

がっかり。


そんなあきらめの気持ちのなか、冬の南東の空に見つけた星座。

それがオリオン座でした。

想像してたよりずっと大きい!

そのときの興奮は今でも覚えています。


(イラスト出所:イラストエイト)


星座が星座として認識される条件とは何でしょう?

空のなかの一定の範囲に明るい星がいくつかあること。

それらの星たちがひとまとまりに見えること。

上の絵のようなひとつの形が確かに見えてきます。


でも、次の絵はどうでしょう?

ギリシャ神話の巨大な狩人。

その姿が夜空に見えるでしょうか? 

(残念ながら僕には見えません…)


(イラスト出所:素材屋小秋)


こうして、この星の集まりはオリオンというアイデンティティを持ちました。

ギリシャ神話にもとづく物語も織り込まれています。


さらに、大小の犬たちとともに「冬の大三角」結成!


(イラスト出所:いらすとや)


ここまで来ると、すごい!の一言です。

人間のもつ想像力。あるいは創造力?

妄想力には程々の自信を持つ僕ですが、足元にも及びません。


ここでキャリアづくりの話に戻ります。


自分の人生のこれまでとこれから。

目指す方向があったとしても、そう簡単に一直線には進みません。

それが人生。


なので、あちこち逸れながら沢山の経験を積んでいくことになります。

これらの「経験」は、夜空に散らばる無数の星たちのようなものです。




星(経験)たちがどうつながって、どのような形になるのか?

無限の可能性があるはずです。


散らばりが少なければ、一直線に近い図形になるでしょう。

散らばりが多ければ、つながったときに広い面ができます。

色々な形があっていい。


遠くに孤立していると思っていた星(経験)。

それさえも、うまくつなげれば星座の一部になるかもしれません。


星座のような形ができたなら、それが自分のアイデンティティ。

星座のように、自分だけの物語もそこにあるはず。


これまでがあって、これからに向かっていく。

なので、星座は時とともに変わることもある。

変わり続ける星座でもいい。


いずれにしても、自分だけの星座をつくる道のり。

それが人生なのだと僕は思うのです。


たとえいま、望みと違う方向に進まざるをえなかったとしても、それは決して無駄ではないはず。

というか、無駄にならないようにできるはず。

自分がどのような星座をつくるか次第です。


回り道ばかりの人生を送ってきた僕などは、そのように前向きに解釈しないとやってられません(苦笑)。


地域づくりファシリテーション研究所

地域づくりの活動それぞれにリーダーが必要。でも、リーダーだけいればうまくいくとは限らない。側面支援も大切。この側面支援を「地域づくりファシリテーション」と称して、その役割を考えていきたい。研究所と名乗っているが、とりあえず仲間たちと共にこじんまりと議論し、実践していくなかでの気付きを記録していく。

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