第18話 自分だけの星座をつくろう その2
人生とは星座をつくる道のりである。
そんなことを恥ずかしげもなく語ってしまう僕。
(実はちょっと恥ずかしい)
「星座」と人生のことを思い付いたのは実は最近です。
でも、かなり前に、そのきっかけをくれた人がいます。
それがDさん(男性)。プロの写真家でした。
僕が務めていた職場の専属カメラマンなのでした。
もう10年近く前。
僕が次の進路に迷っていた頃。
Dさんとサシでお話できる機会がありました。
そして、彼は言いました。
「自分のキャリアをマッピングしてみたらいいよ。」
マッピング? すぐにはピンと来ませんでした。
でも、その言葉は強い印象を残しました。
それまで、人前で話すときの自己紹介スライドは文字だけの箇条書き。
マッピングというものをスライドに生かせないものか?
そう考えて、図解方式を試し始めるようになりました。
自分なりのマッピング作業の始まりでした。
図解版のスライドは、箇条書き版と比べると、 組織や場所の固有名詞など文字情報が少なくなります。
でも、流れ者の半生の流れが動的に見やすくなります。
こうした図解版の試行錯誤が8年くらい続きました。
(いまも続いています)
そして、「星座」の話があるとき急に僕に降ってきたのです。
図解方式のスライドで自己紹介することや、星座の例えを使うこと。
それは、少なくとも僕自身の考え方の整理をとても助けてくれました。
その点で、Dさんは僕の発信の設えを側面支援してくれたと言えます。
Dさんはあれから数年後にまだ60代の若さで亡くなってしまいました。
僕は既に別の仕事に就いていてご病気のことも知らず、きちんとお礼を言えず残念でした。
太陽のように明るいDさん。
多くの人に対してコーチとなったことでしょう。
僕にもかけがえのないヒントを与えてくださいました。
心から感謝しています。
この件について、もう一人の側面支援者がいます。
ゼミの学生に講義をしてほしいと僕に声をかけてくらた某大学教員のOさん(女性)。
Oさんは、僕にとっては旧知の友人です。
20年以上前に、ほんの5か月くらいだけ同じ職場で働いただけの間柄。
その後、常に連絡を取り合っているわけではありません。
でも、忘れた頃にメールをくれたり、偶然ばったり会ったこともあります。
不思議なつながりを感じます。
今回も、Oさんが研究のためにネットで調べものをしたのがきっかけでした。
検索作業中に、たまたま僕の書いた文章と遭遇したそうです。
それで、数年ぶりにメールを送ってくれました。
そういうときの話題は、職場の同僚だった当時の昔話が中心。
自分たちの失敗談など他愛のないネタに笑いが弾けます。
他の同僚のその後の活躍なども楽しい話題です。
そのOさんが、僕の経歴や研究に喰い付いてくれました。
回り道を重ねていることや、関心テーマに共通点があることも改めて分かりました。
オンライン打ち合わせやメールのやり取りで講義内容を検討しました。
Oさんは合いの手のような受け答えをしてくれます。
僕とは違う用語で、僕の言ったことを整理してくれたりもします。
そのおかげで、僕は自分のことながら新たな気付きをもらいました。
これは、僕がOさんにコーチングを受ける過程のようでもありました。
講義が発信の一種なら、これは発信の設えの側面支援でもありました。
地域づくりにおいても、このようなファシリテーションが大切だと思います。
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