第25話 ワークショップって何だろう? その2

ワークショップっていったい何のためにやるのだろう?


この本質的な問いに対する明快な答えは僕にはありません。

ただ、この問いがなぜ発せられるのかも踏まえて、色々考えてみましょう。

それを備忘録としてここに書き出してみます。


まずは好みの問題。

他の人たちと一緒にワイワイガヤガヤとハンズオンの議論や作業をすること。

それを好む人と苦手に感じる人がいるのは当然です。

初対面の人たちと机を並べるワークショップも多々あります。

そんな場合はなおさらでしょう。


「アイスブレイク」や「チェックイン」などと呼ばれる最初の活動.

緊張をほぐし、参加者間の関係性に安心感を与えたりする効果があります。

こうしたことに対しての好みが分かれるのは当然です。

むしろ、好みが分かれるほうが健全といえそうです。

僕自身、参加者として実は隅で静かにしていたい気分のときもあります。

「なぜ?」という疑問が生まれる場面かもしれません。


次に、思考の過程や速さの問題。

人には、ものごとを考えるときのスタイルがそれぞれにあります。

ワイワイガヤガヤのほうが思考が進む人。

静かな環境にひとりいるほうが思考が進む人。

もちろん、どちらかだけというわけでなく、場面によっても変わるでしょう。


自分の頭のなかだけでじっくり考えたいタイプの人にとって、ワークショップは「雑然」とした「混乱」の場であり、苦痛を感じるかもしれません。


思考の速度も人それぞれです。

頭の回転が確実に速い人がいます。

そのような人は、ワイワイガヤガヤと思考を共に進めていく速度の遅さにじれったくなってしまうかもしれません。


しかも、ワークショップでは多くの場合、議論の流れから誰も取り残さないことが意識されます。

すると、思考が速い人より、遅い人の速度に合わせることになりがちです。

こうした確認作業が繰り返されると、思考の速い人には苦痛だろうと思います。

毎日、新幹線に乗っていた人が、ある日、急に各駅停車の在来線に乗る感覚でしょうか?

その鈍行を楽しめるか、あるいは苦痛に感じるか。

人それぞれですし、場面によっても変わるでしょう。 


このように、ワークショップに苦手意識が出そうな場面がありそうです。

でも、本質的な問いに答えるには、ワークショップの効用を考える必要がありそうです。  

地域づくりファシリテーション研究所

地域づくりの活動それぞれにリーダーが必要。でも、リーダーだけいればうまくいくとは限らない。側面支援も大切。この側面支援を「地域づくりファシリテーション」と称して、その役割を考えていきたい。研究所と名乗っているが、とりあえず仲間たちと共にこじんまりと議論し、実践していくなかでの気付きを記録していく。

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