第32話 青年団活動との協働のさらなる展開 その2

1月22日。

石川県青年問題研究集会(青研)の当日です。

会場とオンラインのハイブリッド方式で開催されました。

僕はオンラインで参加しました。


午前は、研究室からの報告と、それを踏まえた対談。

僕の出番は午後からなので、午前は聴衆の一人として興味深く議論を聞きました。


午後は、事前に決めたとおり2つの話題を中心に話し合いをしました。

僕を含めても14名の参加者。

以下、ファシリテーターとしての備忘録です。


14名ということで、全員参加で議論できる人数です。

なので、できるだけ均等に発言の機会が回るような進行に努めました。

その際、できるだけ自主的に手が挙がるのを待ちました。

すると、期待どおり、入れ替わり立ち代わり発言が出ました。

このあたり、さすが青年団。

自主的なボランティアとして参加している人たちなので意欲が高いです。


第一の話題は、主に本年度のこれまでの活動の振り返りです。

新型コロナの状況のためできなかった活動がいくつかありました。

そのような状況でもなんとかできた活動もありました。

それぞれ担当した事業を中心に振り返りました。


休憩を挟んで後半には、第二の話題が用意されています。

それは、今後の青年団活動のありかたについて。

「これまで」と「これから」。

僕はざっくりこのように表現して前後半2つの話題を冒頭で共有しました。

ただ、話の流れによって両方が混じり合うことが予想されました。

そこで、厳密に分割する必要がないことも伝えました。

感じたことを、そのときすぐ発言してもらいたかったからです。


みなさんのお話を聞きながら、進行を考えていきます。

今回の場合、ファシリテーターが「仕切る」必要はなかったです。

とはいえ、受け答えのしかたなどもファシリテーションの一部。

当日の流れのなかで自分がとっさに採り入れた振る舞いは主に3点です。


第一は、「これまで」の話から苦労がにじみ出ているとき。

そのような発言の直後には、共感の相槌を打つようにしました。

実際、コロナ禍でのご苦労は大きかったことが分かりました。

その思いに寄り添いたいと、ごく自然に感じました。


第二は、休憩明けの後半冒頭でのことでした。

僕は、休憩時間中に素早く作った手描きの絵を画面越しに共有しました。

Zoomの画面共有機能でなく、PCのカメラ前に絵を手持ちする原始的な共有です。


この日の会合で何を目指すのか。

何のために議論するのか。


一見暗黙の了解が存在しているようなこと。

でも、それを全員ではっきり共有しておくのがよいかもしれないと感じたのです。


この集会での発言は「個人の意見」でよいこと。

それぞれの組織での公式の方針はいずれ別の場面で決めること。

なのでこの会では安心して、自由に思いつくまま発言してよいこと。


これも全員で確認しておくほうがよいかもしれない。

ファシリテーターとしてそのように感じてのとっさの振る舞いでした。

参加者のみなさんは絵を見ながら僕の言葉を聞き、賛成してくれました。


野球の守備において、守備陣が全員でアウトカウントを指さし確認するようなものです。

分かり切ったことでも、大事なことは全員で確認することに意味があります。


ちなみに、「個人の考えなのか、あるいは組織の考えなのか。

それが整理されていないと方針決定するときに問題」という論点。

これは午前の部で出ていたことです。

午前の部の議論からのつながりを強める意味もあったのです。


第三は、「これから」の議論のとき。

「コロナ禍の厳しい状況のなかでも、なんとか事業を実施したい。」

このような発言が多く出ました。


それは本当にそのとおりだと思います。

ただ、僕は少しだけニュアンスを変えて合いの手を入れました。

「なるほど、このような状況だからこそできるような事業。

それを見つけて育てていけたらよいですね。」


ピンチをチャンスに変える視点。

当事者でないから言える無責任な発言かもしれません。

でも、少しでも応援になればと思って僕はその言葉を選びました。

いまならではの苦労に前向きな意味を少しでも感じてもらいたい。

その願いを込めたメッセージのつもりでした。


強い思いを胸に抱いて集まる人たちです。

楽しさを増やして活動を発展させたい。

そんな原点回帰のオーラが伝わってくる集会でした。


みなさんの議論から、むしろ僕のほうが多くを学ばせていただきました。

石川県青年団協議会の皆様、ありがとうございました!  


写真:休憩時間中に急いで描いて、後半冒頭で共有した図。

「今日は右下の段階なので、思いつくまま個人の考えを自由に共有する段階ですね。」

ということを参加者全員で確認しました。

地域づくりファシリテーション研究所

地域づくりの活動それぞれにリーダーが必要。でも、リーダーだけいればうまくいくとは限らない。側面支援も大切。この側面支援を「地域づくりファシリテーション」と称して、その役割を考えていきたい。研究所と名乗っているが、とりあえず仲間たちと共にこじんまりと議論し、実践していくなかでの気付きを記録していく。

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