第52話 概念化というファシリテーション その2
第19話でご紹介したHさん。
僕が勝手に師匠と仰いでいる人です。
そのHさんと、2022年9月に、ある勉強会の場で再会できました。
そして、このサイトでの以前の投稿についても見ていただきました。
今回、再びHさんの「4つのカメラ」を紹介するため、
ご本人の了解をいただいたうえで、ついに(?)実名で書かせていただきます。
Hさんは平井雅(ひらい ただし)さんです。
「ラティーノ」という呼び名で活動するプロのファシリテーターです。
ラティーノ平井さんが概念化した「メタ認知4つのカメラ」。
ご本人が解説しているので、ぜひ以下のサイトをお読みください。
https://facilitation.jp/?p=1409
僕がこの概念を初めて聞いたのは2020年1月でした。
コロナ禍が始まる直前の対面の研修会で、講師の平井さんから直接聞きました。
そのときは、正直なところ、あまりピンと来ませんでした。
しかし、その後も常にこの概念のことが頭にありました。
そして、2年半ぶりに再び対面で説明を聞きました。
平井さんが試行中の演習も勉強会のなかで体験しました。
実際にファシリテーションしている場面で4つのカメラを意識的に使い分ける練習です。
勉強会では、腑に落ちていない人たちから辛口のコメントも出ていました。
それらの人たちも経験豊富なファシリテーターです。
既にそれぞれ自分なりの認知方法が確立しているのでしょう。
その点、僕はまだ見習いのような立場。
確立されていないぶん、逆に受け入れやすかったかもしれません。
そのような要素を差し引いたとしても、納得感が確実に僕にありました。
そして、前号で紹介した小文字と大文字のファシリテーション。
その概念との関連付けも僕なりにできました。
話し合いを促す小文字のfacilitationでは1つめから3つめまでのカメラがフル稼働。
一方、地域づくりファシリテーションでは大文字のFACILITATIONの要素が強いです。
なので、4つめのカメラが作動する割合が大きくなる、というような関連づけです。
以上見てきたような深い概念化には足元にも及びません。
でも、僕自身にも思い当たる例があります。
それは、地域づくり活動を「餅つき」に例えること。
「つき手」をリーダー、「こね手」をファシリテーターに例えて説明しています。
リーダーがいなければ餅つきは始まらないし、餅もできない。
でも、つくだけではスムーズに餅はできない。
絶妙なこねかたがあってこそ、餅は上手く、そして早くできる。
そんな側面支援の役割にも、もっと注目すべき。
こういう説明を、下のイラストとともにしています。
この親しみやすい絵が助けになっています。
発信の設えにおける絵の力は偉大ですね。
イラスト出典:こどもや赤ちゃんのイラストわんパグ
http://kids.wanpug.com/illust75.html
小難しい顔をして理屈だけ語ってもなかなか通じません。
簡単な例えがあるだけで、伝わりかたが全然違うと感じています。
第43~50話で紹介した佐渡島での聞き取りでも、餅つきの比喩を用いました。
実践者の人たちに、こちらの意図を素早く理解してもらえた気がします。
それをきっかけとして、お話が弾んだような感覚もあります。
概念化によるファシリテーション。
これからも意識していきたいと思います。
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